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sRGB VS AdobeRGB 色域の形はどれだけ違うかをargyll CMSで比較する

sRGBとAdobe RGB対応ディスプレイはどれだけ色域が違うのか?

2Dグラフであるxy色度図では、緑色の表示領域だけAdobeRGBが広いように見えますが、
実際はどれほど違うのでしょうか?
実測値で比較してみます。


使用するソフトウェア


dispcal GUIで作成したディスプレイのICCプロファイルは、Argyll CMSを使って、
直接的に重ね合わせてgamut(色域の広さを比較することができます)。


操作方法

ざっくりまとめ
1.コマンドプトンプト立ち上げ
2.Argyll CMS内の実行ファイルのひとつであるiccgamutを使ってICCプロファイルから.gamファイルを生成。
2.Argyll CMS内の実行ファイルのひとつであるviewgamを使ってgamut生成(.wrl)。
3.Cortona3Dプラグインを入れたブラウザで3D gamutを表示。


公式
viewgam


操作詳細
基本操作はまず以下を参照ください。
つ、ついに3D表示に成功! Argyll CMSで生成した3D Gumatを表示させる - JJsの日記
この記事の内容に従って.gamファイルを生成します。
上記の記事で.gamファイルと.wrlファイルが生成されます。


C:\Windows\System32\spool\drivers\colorから
比較したいICCプロファイルをargyll\binフォルダ内にコピー。


コマンドプロンプト立ち上げ
cd C:\Argyll_V1.5.1\bin


viewgam -t 0.5 比較したいファイル名.gam 比較したいファイルその2.gam 生成するファイル名.wrl


解説
viewgamは3Dのgamutを生成させる実行プログラムです。
 -tオプションは生成するgamutの透明度を変化させる。 0.0〜1.0の間で透明度を指定。
半角スペース開けて、比較したいファイル名.gamを書く。
最後に生成するファイル名を命名。 ファイル名.wrlでファイルを生成。
※ファイル名は事前に短くリネームしています。リネーム前は
EV2334W 2013-04-12 100cdm2 D6504 2.2 HQ XYZLUT+MTX.icm(.gam)
のような名前になっている。


生成したファイルを比較

色がついたgamutがAdobeRGB対応ディスプレイのEIZO FlexScan SX2461W。
ワイヤーフレームがsRGBのEIZO EV2334W。


xy式度図ではなかな分かりにくい色域の形が簡単に比較できました。
ぜひ挑戦して、グリグリ動かしてみてください。非常に分かりやすいです。



比較対象をsRGBやAdobeRGB(1998)のICCプロファイルを使うことによって、
それぞれの規格と自分のディスプレイのgamutを比べることができます。
自分のディスプレイがどれだけの色域を表示できるかを知ることは、
ディスプレイ(モニター)とプリンターの色合わせをする上で非常に大切なことになります。


sRGBでプリントしたいとき、ディスプレイのgamutがsRGBより狭い場合、その狭い分だけ
把握できない色域となり、色が合わないと感じる原因となります。
Photoshop or Lightroom4のソフト校正で、校正するプロファイルをsRGBに設定した場合に、
モニター色域外警告で表示される領域と同じ。これを立体で把握できる。)



※いくつか比較するgamutを生成してみたところ、どうやらこのviewgamは絶対的な
色域の広さを比較するのは向いていないようです。
色域の広さの絶対値面積が正しいかどうかがちょっと怪しい。


個別のgumatの形は正しい比率で表示されますが、gamutの長さの単位?が揃っていないので、
重ね合わせても領域の大きさを比較できません。
ねずみとゾウが同じような大きさで表示されるような挙動です。
形だけは比較できます。