dipcalGUI AdobeRGB対応ディスプレイのキャリブレーション
今回はdispcalGUIについて、追加の使いこなしです。
wide gamutと呼ばれる色域の広いディスプレイを使う場合と、sRGBの色域をカバーする一般的な
ディスプレイでは、適切なキャリブレーションの方法が変わります。
いわゆるAdobeRGB対応とうたっているディスプレイのキャリブレーション方法の
紹介です。
1.まずは分光式の測定器を使うこと。
Wide Gamut Displays & Colorimeters分光式はAdobeRGBでもそれ以上広くてもOKで、フィルター式のようにあとから
設定が要りません。
フィルター式のi1 DisplayPro and ColorMunki Display, Spyder 4はいろいろと
測色器のプロファイル設定する必要有。
2.dispcalGUIの測定器モードをLCD (generic) Adaptive Hiresを使うこと。
右上のタブから選びます。Hiresモードは分解能が高く、正確に測定できます。ver1.2.7.0より安定性が上がって
AdaptiveとHiresを同時に指定しても止まることなく計測できるようになりました。
※Hiresモードはi1 proやcolormunkiなど一部の測定器でのみ選択できます。
3.プロファイルのタイプはXYZ LUTタイプ(swapped matrix推奨)を選ぶこと。
XYZ LUTはICC L*a*b*よりも広いレンジを取り扱える。※LUTのプロファイルタイプは、アプリケーションソフトによっては
たまに色がおかしくなる。他のプロファイルをインストール後に、再度インストールしたり、
再起動すると直ったりする。
4.テストチャートファイルをなるべくパッチ数の多いものを選ぶこと。
デフォルトで「Massive testchart for LUT profiles」という2,386つのパッチを含んだテストチャートがあります。2時間半ほど時間がかかる代わりに
滑らかな(=正確な)3D プロファイル変換が行えるようになります。
通常選ぶ「Extended testchart for LUT profiles」の2D gamut。
デコボコがあって情報の欠落が見られます。
「Massive testchart for LUT profiles」を選択してキャリブレーションした3D gamut。
パッチ数の違いが決定的戦力の違いとなるのだ!(謎
Massive testchartの威力もまさにMassiveである!w
無段階のグレースケールに継ぎ目がなく滑らかに表示されるようになります。
238パッチだとガタガタなのよね。
この3D gamutはL*a*b*と呼ばれる表色系で表現されてます。
CIE a*b*図と比べて、L*の明度軸が加わってます。
3Dになった分だけ色域がより分かりやすくなります。
上の2つのL*a*b* 3D gamut図は、以下のa*b* gamut図にL*軸を加えて3Dにしたもの。
2Dではカバー率とgamutの広さしか分かりませんが、明度情報も見られる3D gamutだと
色変換の精度を見ることができます。
大事な情報源
使いこなす上で大事な情報がたくさん得られます。Welcome to Bruce Lindbloom's Web Site
プロファイル作成後に見られるTone response curveが変な風に曲がっている理由とか、
黒体軌跡とD65の違いとか、2度視野と10度視野の違いなどグラフで見るとよく分かります。