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三菱 FPL27ANX レビュー 色評価用蛍光灯に限りなく近い、高演色なツイン蛍光灯で撮影比較

平均演色評価数がRa95と太陽の光に近い光源性質を持つ、三菱オスラム製FPL27ANXを入手しましたので、
さっそくレビューします。


まずはスペックから見ていきましょう。

三菱オスラムのカタログを見てみます。
http://wwwl7.mitsubishielectric.co.jp/wink_doc/common_files/WEB_CATA/LMDOC1204A/pageview/pageview.html#page_num=91
カタログから必要な部分だけ抜き出してみました。


同じ定格のランプでもFPL27ANXは暗めの全光束となります。


注意書きは以下の通りです。 FPL27ANXの平均演色評価数はRa95です。


昼白色5000Kの平均演色評価数はRa84です。

FPL27ANXの分光分布(上図右側)は連続してつながっており、豊かに物体の色を再現できることが分かります。



撮影して比較する

撮影はSony α55にSAL30M28マクロレンズを使い、固定して2秒タイマーで撮影しました。


比較対象としてNationalのツイン1(パルック3波長昼白色):FPL27EX-Nを用意しました。
色温度5000K、全光束1600lm、Ra84、ナチュラル色です。
パナソニックのカタログより分光分布は以下の通りです。
http://www2.panasonic.biz/es/catalog/web_catalog/lamp/

FPL27EX-Nは長時間使用しているので、カタログスペックよりも色温度と全光束が下がっています。


このFPL27EX-NとFPL27ANXをNationalのインバータ対応スタンドLOVE EYE(SQ974B)に取り付けて比較。


撮影時、ホワイトバランスをカスタムで5300Kに固定して撮影。
左がFPL27EX-N(5000K)、右がFPL27ANX(5500K)です。
以下の画像はFPL27EX-Nが黄色被りしているということではなく、あくまでFPL27ANXと比較した場合に
色温度が低いという目安にされてください。


次の画像はオートホワイトバランスで撮影した後、Lightroom4の「ホワイトバランス選択」を
使って(スポイトでホワイトバランス点を選択)、カラーチャートのグレーパッチを選択し、
色のバランスを取ったものです。
左がFPL27EX-N(5000K)、右がFPL27ANX(5500K)です。

何回かホワイトバランスを取る画素を選択し直し、微調整を行いましたが、
微妙に色のバランスが違います。きちんとホワイトバランスを取りなおしても、完全には
発色を同じにすることは難しいですね。
元々分光分布が違っており、色の再現性に違いがあるのは当たり前なのですが。


以上造花では色が単色であるため、差があまりにも分かりにくかったため、
次は人形を入れて撮影し直しました。


次にオートホワイトバランスで撮影。
FPL27EX-N


FPL27ANX

ヒストグラムはLightroom4.1のもので、WBはいじっておりません。
デジカメのほうできれいにホワイトバランスを取っているので、パッと見では
あまり変わりませんが、青色の発色と黄色の深みが違います。


最近のデジカメはホワイトバランスが随分とよくなっているので、極端に
色被りを起こすことはないようです。しかし、発色のバランスの違いは、色によっては
目立ちます。

ということで拡大して比較してみます。
シャッタースピード、絞り、ISOで撮影した結果、わずかにFPL27EX-Nのほうが
露光量が多かったので、以下の画像はLightroom4.1で、露光量を-0.11補正しました。


左がFPL27EX-N(5000K)、右がFPL27ANX(5500K)です。

赤、黄の深みが違います。全体的にFPL27ANXのほうがコントラストが
あがったかのようです。

青色の深みが違います。左は色が褪めてしまっています。グラデーションの繋がりも
悪く、のっぺりとした印象です。

左は黄色が蛍光色のようになってしまいました。右のFPL27ANXは色に深みがあり、
茶色の髪色は黄色被りなくきちんと出ています。
やはりFPL27ANXのほうが色の深みのある撮影に向いています。


印刷物を鑑賞してみると、上記撮影ではあまり差がなかったグリーンの発色も違いが
分かります。
夜間にプリントアウトした写真を見た時でも、非常にきれいな発色を楽しむことができました。


まとめ

FPL27ANXは通常の3波長昼白色蛍光灯と比べ、発色がよく、諧調が豊かに再現できる。
撮影時の色被りが最小限に抑えられる。
明るさ(全光束)はやや暗めになる。
印刷物やプリントアウトしたものを、夜間でもより正確に評価できる。
定価は少し高めだが、割引されているところで購入すると、通常の3波長昼白色蛍光灯とあまり変わらない。


※上記画像の違いが分かりにくい場合は、キャリブレーションが適正でないか、再現できる色域が狭い
ディスプレイの可能性があります。うちでも安TNパネルを使ったノートパソコンで確認したところ、
さっぱり違いが分かりませんでした。


13年4月17日追記
高演色のランプと一緒に照明器具をリストアップしました。
価格別 色評価蛍光灯導入のススメ - JJsの日記