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牛腸茂雄が撮る日常  「SELF AND OTHERS」と「牛腸茂雄作品集成」

牛腸茂雄はコンポラ写真の代表的な写真家。
牛腸茂雄 - Wikipedia


図書館で牛腸茂雄の代表作「SELF AND OTHERS」と「牛腸茂雄作品集成」を借りた。

牛腸茂雄作品集成」の中には丸ごと「SELF AND OTHERS」、「日々」、「見慣れた街の中で」など
代表作が収められている。


しかし、「牛腸茂雄作品集成」を見れば、「SELF AND OTHERS」は見なくてもよい、とはいかなかった。
牛腸茂雄作品集成」は牛腸の死後出版されたものである。
SELF AND OTHERS」は存命中に出したものと1994年に未來社から出版されているものとあり、
今回見たのは、後者の未來社のものであった。


牛腸の死後出版された「牛腸茂雄作品集成」と「SELF AND OTHERS」は、印刷品位とか紙の具合という
問題ではなく、露光量が変わっている。
例えば、「SELF AND OTHERS」のラスト、芝生の上で遊んでいる子ども達が、奥の霧の中へ走り去っている写真は、
芝生の明るさが全く違う。方や芝生の芽が見える露光量、もう片方は黒く潰れてしまっている。
この写真はどちらの表紙にも掲載されているので、上の画像を見比べてみてほしい。


オリジナルの「SELF AND OTHERS」は入手困難なので、どちらが牛腸が意図した露光量で掲載されているのかは
不明。報道写真家は、編集者が勝手にキャプションをつけて、写真が表している内容を捻じ曲げることに怒っていたようだが、
露光量が露骨に変わってしまうのも、本人にとっては厭だろうなあと感じた。


牛腸茂雄作品集成」には他の作品も掲載されているので、こちらが牛腸茂雄の作品の流れを知る上で有用だが、
SELF AND OTHERS」には「牛腸茂雄作品集成」にはない解説も掲載されているので、
機会があれば、どちらも見るのがお勧め。