DxO FilmPack 3 レビュー2 Lightroom 4との連携など
http://www.dxo.com/jp/photo/free_trial_version
前回の記事に続いて、FilmPack 3のレビューです。
いい点
非常に多彩なフィルムの効果を簡単に適用することができる。インターフェイスがシンプルなので、操作で迷いにくい。
自作のプリセットを保存できる(エキスパート版)。
Lightroom4では再現できない、フィルム独特の立体的な粒状ノイズを、多彩な
実在するフィルムから選択、添加することができる。
http://www.swtoo.com/product/dxo/filmpack/background.html
革新的なメソッド
従来のフィルムフォトグラフィーの粒状感を再現するソフトウェアソリューションは、ガウシアンノイズを人工的に生成することで粒状感をシミュレートする手法を採ってきました。 しかし、このような経験的アプローチでは、一定以上の精度の結果を得ることは困難でした。 一方、DxO Labs社によるアプローチでは、テスト画像から直接「粒子マトリクス」を得て、デジタル画像に対して適用します。各フィルムに対してキャリブレーションモデルは平均化されているため、デジタル画像に対し限りなくリアルに適用することが可能です。
このカラーモードの色合いも素晴らしい。
5つのカラーモード(冷たい→暖かい、の順)を実現することができました。 金 (冷たく青みがかったトーン)、酸化鉄(緑青)、セレン(灰色がかった茶色)、土色セピア(タバコ色合い)、金セピア (黄土色/茶色デュオトーン)、 およびDxO Optics Proの過去バージョンでも提供されていたセピア(黄色)。
クロスプラットフォームへの対応。
Windows7 64bit Home premiumで問題なく動作しました。
ただ、FilmPack 3で保存した後、Lightroom4にデータを戻すときに、
加工したデータがすぐに反映されないことがある。
気になる点
FilmPack 3はマルチタスクに対応しておらず、Lightroom4からデータを書き出すたびに新しいウィンドウで複数起動する。
フィルム効果を適用後、画像を拡大・縮小・移動させるたびに、デフォルトの画像に一瞬戻って
しまう。CPU処理速度が遅い場合は、ストレスになりそう。
RAW画像に対応していない点。TIFFでLightroom4から受け渡した後、画面下の「保存」を押すと
JPEGで保存される。
Lightroom4プラグイン使用の場合、保存時の画質設定や保存先の設定はどこ?
>スタンドアローン版でないと選択できない仕様らしい。
http://www.swtoo.com/product/dxo/filmpack/system3.html
※画像サイズの制限について
・FilmPackで処理できる画像の最大サイズは2400万画素です。
・FilmPackのPhotoshop用プラグインで処理できる画像の最大サイズは1400万画素です。
うーん、次のバージョンでは最大サイズの画素数をあげてもらわないと、
対応できないカメラが増えますね。
D800などの場合は縮小しないと使えないということでしょうか。
>画像サイズの制限について、レビューその3で訂正しました。
Lightroom4からの書き出し方法で保存方法も違う
Lightroom4からの書き出し方法は2種類あり、それぞれ挙動も仕上がりの結果も違います。まずはお勧めできない方法から。
画面上で右クリック>書き出し>FilmPack 3を選択。
この方法だと、低画質のJPEGでしか保存することができないため、ブロックノイズだらけに
なってしまう。
保存した画像は、RAW画像を保存しているフォルダに保存される。
JPEGだと再びLightroom4やPhotoshopで加工しにくい。また、Lightroom4のカタログには
保存後の画像は追加されない。
二つ目はシャドウコピーを作成して、TIFFファイルをFilmPack 3にデータを受け渡す方法。
カタログに追加されているRAW(JPEG)画像とは別にTIFFファイルを生成し、それを
FilmPack 3で加工する。
RAW画像の場合は、「Lihgtroom調整でコピーを編集」の一択。
TIFFファイルのため、やや重たくなるが、粒状感などもきれいに保存することができる。
またFilmPack 3で保存後は、Lightroom4のカタログにシャドーコピーのひとつとして追加される。
TIFF画像に後処理するのは、やはり画像が荒れてしまうので、FilmPack 3にデータを渡す前に
入念にRAW現像をしておきたい。
難しい点を挙げると、FilmPack 3のフィルムは種類によって、赤被りや緑被りが強すぎるため、
適用したいフィルムに合わせて、事前に被りを予測した色調補正を行っておく必要がある。
さらにもっと困難なのは、FilmPack 3にはハイライト/シャドウの明るさを補正できないため、
色飛び、黒潰れが救済できない点。FilmPack 3で保存後、ふたたびLightroom4でハイライト/シャドウ
を補正した場合、RAW現像のようにきれいには仕上がらない。
結論
もっと詳細にレビューを行う予定だったが、FilmPack 3を使って加工した画像が、あまりにも仕上がりの完成度が高いため、正直良すぎて人に勧めたくないレベルです。
行きつけの隠れた名店のような感覚でしょうか。
粒子が細かすぎて、発色のよくないディスプレイで鑑賞する場合や、小さすぎる画像まで縮小した場合は
あまり効果が分かりません。
ただ、大き目の画像(長辺1600px以上程度)や、プリントアウトした場合(2L以上のサイズ)は、
よいフィルムでプリントアウトしたときのような立体感を得ることができます。
少し強めに粒状ノイズを足した例。
はがきサイズの場合でも、プリント仕上がり時の明るさにミスがなければ、粒状感を仄かに味わうことが
できました。ちなみに粒状ノイズの大きさも、プリント仕上がりの大きさに合わせてカスタマイズすることが
できます。
ノイズレスの透明感もまたいいものですが、粒状感の立体的な味わいが好きな人には
手放せないソフトになるでしょう。
http://vimeo.com/dxolabs/rediscovering-the-magic-of-film
プロの使用例(vimeo)。
Lightroom4で色調・コントラスト補正を完璧に仕上げて、FilmPack 3のユーザープリセットで、粒状ノイズだけ添加する
方法がベストかもしれません。
特にモノクロだとFilmPack 3の真価を発揮してくれます。
さすがvelvia、風景には素晴らしいが、ポートレートだと、どぎついなあとか、色々楽しめます。
すでに病みつきになってしまい、Lightroom4→FilmPack 3のコンビネーションでないと
仕上がりに満足できなくなってしまいました。
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レビューその3を追加しました
DxO FilmPack 3 レビュー3 もう少し使いこすには編 - JJsの日記