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個撮でYongnuo YN560 IIを使ってライティング

前回の続きで、具体的なライティング方法です。
初めて個撮に参加してみた 個撮の詳細レビュー記 - JJsの日記


クラムシェルライティング(clamshell lighting)の参考

今回は基本中の基本のクラムシェルライティングです。

こちらとか、
第17回 バンクライト2灯でクラムシェル | 玉ちゃんのライティング話 | Shuffle by COMMERCIAL PHOTO
こちらが参考になります。


クラムシェルライティングはこちらが具体的で非常に分かりやすいです。


人物の顔を上下にライトで挟むのが基本となりますが、下半分をレフ板で代用することも
できます。


セッティング

個撮のときに組んだライティングは以下です。

左下がYN560 II & eBay 80cmライトボックス、その右上が80cmレフ。
右側がYN560 II & eBay 60cmライトボックスです。



Sony α99 85mm F1.4ZA
1/80秒 F 2.2 ISO 50 焦点距離85mm


YN560 IIに80cmのライトボックスを取り付け、クラムシェルの上側にくるライトを担当させます。
Planar & α99で一灯ライティングで撮影してみた - JJsの日記


下側は80cmの銀レフ。おへそ辺りが当たるぐらいまで近づいて立ってもらいます。
角度は顔のほうに向けます。
縦位置で撮影すると映り込んでしまうぐらい、胸のすぐ下の位置まで角度をつけています。
具体的にはYoutubeの動画を見てもらうと分かると思いますが、それよりもさらに近いです。
レフ板を支えるのにヤフオクで買ったレフ板スタンドを使いました。


向かって右側のヘアラインをきれいに見せるため、右側から60cmのライトボックスで髪の半分ぐらいを当てます。
残り半分は背景に当たっています。
メインのライトボックス(左)が左の髪の毛と髪の中央を照らして、髪の毛の右側部分は小さ目のライトボックス
当てているので、髪全体は明るく、ヘアラインがはっきりとしています。


背景を白く飛ばすためのライトを入れていないため、右側の背景が暗くなっています。
Lihgtroomの「段階フィルター」を使って、露光量をあげてやると、ある程度は解消することもできます。
完全な白飛ばしでよければ、Photoshopで人物だけ切り抜いて白バックのレイヤーの上に重ねてもOK。


YN560 IIの設定

基本的にマニュアルモード、 発光量が1/4、 Zoomが24mmに固定して撮影しています。
露光量が不足するときにはカメラのISO感度を上げ、露光過多の場合はISOを下げ、それでも過多ならシャッタースピード
1/200秒ぐらいまで上げます。
発光の具合がちょうどいい具合に調整するのに、発光量を変えるのは面倒なので、YN560 IIを設置しているライトスタンドと
モデルさんの距離を微調整してから適正露出になるようにしました。


右側から髪に当てているYN560 IIは発光量を1/8にしました。


1/1で撮影すると、約10回の連続発光でオーバーヒートを起こし、しばらく撮影できなくなります。
また一時間の撮影ではエネループでも最後まで電池容量が持たないと思われます。
というわけで素人の場合は1/4を推奨しています。


ライティングにかかるコスト

YN560 II×2、ライトボックス×2、フラッシュトリガー×2、銀レフ、ライトスタンド×2、レフスタンド×1を
全て揃えると、概算で約38,000円です。
これだけあればあとはどうにでもライティングできますね。
欲を言えば、もう一式YN560 IIがあれば背景飛ばし用のライティングができるのでほぼ完ぺきです。
中華の機材は安いのですが、ネジがアホになりやすく、セッティングに神経を使うのが
欠点です。予算に余裕がある場合は、ライトボックスなど、ディフューザー関係はなるべく
高いものがいいと思います。


カメラの設定

ストロボ(YN560 II)の設定を細かく変更していると、撮影のテンポが悪くなるので、
1/4の発光量に設定したら、スタンドの位置を前後させる程度で微調整していきます。
助手さんがいるとかなり楽になるとは思いますが、ひとりだとそうはいきませんね。


ライトとモデルさんの位置関係が決まったら、あとはカメラのシャッタースピードやISOで微調整します。
絞りを変えたら、かならずISOかシャッタースピードも変更しないと露光不足や露光過多になります。


外部ストロボを使う場合に、ソニーα65、α77、α99の場合は、ライブビュー表示を「設定効果反映off」にしておく必要があります。


モデルさんにとってオートフォーカスに手間取っているのか何かよく分かりませんので、カメラの電子音はONのほうが
モデルさんが撮影のペースをつかみやすいと思います。


さすがに一時間ずっとフラッシュ撮影を行うと、ムスカさん(ラピュタ)みたいに目がおかしくなるので、
適度に休憩を挟むか、自然光での撮影に切り替えてあげるといいのではないでしょうか。
私の場合は、一時間の撮影時間の中で、前半フラッシュで撮影、休憩を10分挟み、ちょっとだけフラッシュ撮影した
あと、後半は自然光で撮影しました。


機材について

これだけ機材を入れると、相当組み立てやセッティングに時間がかかります。少しでも故障個所・セッティング時間を
減らしたいならYN560 IIIのほうがいいでしょう。
きちんと許可を取らないと、持ち込み不可のスタジオがあると思います。またセッティングの時間がかかることも
伝えたほうがいいと思います。下手すると個撮の時間内に全てセッティング・後片付けする必要必要があるので、
あまりに灯数が多いのは問題があるかもしれません。


それから単純に重いです。特にライトスタンドが大きくて持ち運びが辛いです。車での移動は必須だと思われます。


総評

どこにどれだけフラッシュを当てるか、またどれぐらい左右にずらすかは、
ほとんど感性に従って調整することになると思います。
まずはライティングの上手な写真を参考にしながら、そのライティングを再現してみると、いろいろと
勉強になりました。今回はほぼ教科書通りでの撮影なので、基本を覚えたら、あとはポーズに合わせて
どれだけライティングを変化させればいいのかを考えていきたいですね。


ライトをずらすか、光量を下げるか、モデルさんの立ち位置をわずかにずれてもらうか、カメラのセッティングで調整するかは
慣れしかないので、失敗を恐れずにいろいろと試してみるといいのかな。


自分で制御できることが増えるので、思い描いている完成予想図がよければよいほど
いい写真は撮れると思うのですが、その分すべてをコントロールするのは難しいです。
夢中になりすぎてモデルさんとかスタジオの方に失礼がないようにしたいですね。


10月1日追記


この作例の場合は、完全なクラムシェルではなくて、メインライトが左側にずれ、レフ板が右側にずれています。
モデルさんの髪の長さが左右対称ではなく、右側からヘアアクセントライトをいれるため、
バランスを取るためにずらしました。