jjsの日記

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被写体ブレが激しい写真をごまかすレタッチ

被写体ブレが激しい写真は、逆にモヤモヤ写真としてのよさを
活かすべく、ソフトフォーカスっぽく仕上げるようにしてます。


今回は、昨日の記事の続きです。
結局モデルがいいと… - JJsの日記


等倍(レタッチ済み)。髪の毛とかノイズや手ブレでグチャグチャです。


Lightroom4で下ごしらえ

Lightroom4で軽くレタッチをします。
明瞭度を上げるとピントが合っているように見えるようになりますが、
諧調が減って安っぽくなるので、あまり使いません。
野鳥を撮ってピント外したときに、目の部分だけを「補正ブラシ」で
塗って、その目の部分だけ明瞭度を上げたりします。


露光量を+1.3EV上げて、定石通り彩度も少しだけ上げます。
今回は彩度+4、自然な彩度+6。


トーンカーブで肌だけ明るくなるようにわずかにカーブさせます。

調子を見て、基本補正のスライダーでハイライト+2、シャドウ+9。


シャープネスを上げるとソフトフォーカスっぽさがなくなるので、
半径だけ少し上げ(1.2)、マスクを3にします。
ノイズは細かく見るとかなり酷い(ISO 800)ので、普通なら23ぐらいかけるのですが、
今回は控え目に12。


70300Gで焦点距離300mmで撮ってもまだまだ遠かったので、トリミングで縦位置に変更。
以上までのレタッチを終えたのが以下。


Photoshopでレタッチ

Lightroom4でももう少し追い込めますが、操作性や作業の速さ、
細かい部分の仕上げを考慮すると、ここでPhotoshopにバトンタッチ。


ほんとは髪の毛を消したり、肌質を整えたりする作業が入るはずですが、
ISO 800で溶けちゃってるので省略。


モデルさんが神レベルにきれいなので、
フィルターの「ゆがみ」で骨格をいじる必要もなし。


覆い焼きツールと焼きこみツールでメリハリを出します。
この辺の作業は塗り絵みたいなものです。

背景が明るいと、相対的にモデルさんの肌が暗く、暗く見えると
透明感のない肌に見えるので、背景はやや明るく、肌は明るく整えます。
絵画と同じく顔のまわりをやや明るく塗っているほうが
視線誘導にもなります。
また逆に暗くすると、相対的に顔が明るく見えて、肌質がよく見える
こともあります。この辺りは好みですね。


個人的には、ポートレートの場合は積極的に背景の明暗を作っていくことが
大切かなと思います。デジタル写真のレタッチ手法よりも、明治頃の写真師のレタッチ技術や
絵画的なアプローチをすることによって、なんとなくその人らしい写真に
なっていくんじゃないかなと。


このままだとあまりにもモヤモヤしてるので、レイヤーを複製し、
ハイパスフィルタをかけ、ソフトライトに変更。調子をみて
塗りを下げていき、今回は61%に。

超絶雑な仕上げですが、シャープに見せたくない部分を
消しゴムで消していきます。100%で消さずに不透明度を変更することによって
微調整が可能です。
本当はもっと丁寧にすべきでしょうねw


レイヤーをすべて重ねて、以下で完成。


手抜きは嫌だ、っていう方は以下の動画のように丁寧にレイヤーで
肌の調子を作っていく方法がお勧めです。

動画のように、まずは肌のキメまで見えるようにライティング、ピントがきっちりな
写真を撮る必要がありますね。